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インプラントのスクリュー固定とは?特徴・メリット・費用をわかりやすく解説

歯を失い、インプラント治療を検討しているものの、固定方法にはどのような種類があるのか迷っている方も多いのではないでしょうか。入れ歯やブリッジ以外の選択肢として注目されるインプラントの中でも、スクリュー固定は安定性やメンテナンス性に優れた方法として知られています。

しかし、仕組みやメリット・デメリット、費用、治療期間などが分からず、不安を感じることもあるでしょう。本記事では、スクリュー固定式インプラントの基本から特徴、注意点、日常のケア方法までを分かりやすく解説します。自分に合った治療法を見極めるための知識をしっかり身につけましょう。

スクリュー固定式インプラントの基礎知識

インプラント治療を検討する際に、まず理解しておきたいのがスクリュー固定式インプラントの仕組みでしょう。スクリュー固定式は、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根であるインプラント体を埋め込み、その上に人工の歯となる上部構造を装着する方法の一つです。インプラント体と上部構造は、専用の小さなスクリューによって強固に連結されます。

スクリューは上部構造の内部に設けられた穴からインプラント体へねじ込まれ、被せ物をしっかりと固定する役割を担います。固定後は穴の部分を歯科用の詰め物で塞ぐため、見た目に影響はほとんどありません。インプラント体と上部構造が一体化するため、天然歯に近い噛み心地や安定感を得やすく、審美面でも優れています。

さらに、必要に応じて上部構造の取り外しが可能な点も、大きな特徴の一つです。

スクリュー固定式インプラントの3つのメリット

スクリュー固定式インプラントは、その特性から多くの患者様に選ばれています。ここでは、スクリュー固定式インプラントが持つ主なメリットを3つ解説します。

関連記事:インプラントとは?治療の全てをわかりやすく解説!費用、期間、成功率、注意点について

審美性の高さ

スクリュー固定式インプラントは、特に前歯など人目につきやすい部位で、自然で美しい仕上がりが期待できる方法です。セメント固定式では、被せ物を装着する際に使うセメントが歯茎の溝に残りやすく、歯周病の原因になったり、歯茎の黒ずみや炎症を引き起こしたりする可能性があります。

スクリュー固定式はセメントを使用しないため、こうしたトラブルの発生を抑えられる点が魅力です。歯茎の健康を保ちやすく、口腔内を清潔な状態に管理しやすい点もメリットといえます。その結果、口元の美しさを長く維持でき、見た目にこだわりたい方にも適した治療法です。

安定性と噛み心地

スクリュー固定式インプラントは、インプラント体と上部構造がスクリューによって直接、強固に連結されます。これにより、一体感のある非常に高い安定性が得られる点も大きなメリットです。

天然歯とほぼ変わらない感覚でしっかりと噛めるため、食べ物の味を損なう心配がなく、快適な食生活を送れるようになります。また、咀嚼機能の回復により、消化吸収にも良い影響をもたらし、全身の健康維持にもつながるでしょう。

メンテナンスのしやすさ

スクリュー固定式インプラントの大きなメリットの一つが、メンテナンス性の高さです。上部構造がスクリューで固定されているため、必要に応じて歯科医師が比較的簡単に取り外せます。そのため、インプラント周囲の清掃や、上部構造に不具合が生じた場合の修理・調整もスムーズに行えます。

万が一、インプラント周囲炎などのトラブルが起きた場合でも、早い段階で適切な処置を行いやすく、インプラントを長く良好な状態で保てるでしょう。

関連記事:インプラントを長持ちさせる定期検診|通院の目安と医院選びのポイント

スクリュー固定式インプラントの2つのデメリット

スクリュー固定式インプラントには多くのメリットがある一方で、治療を検討する上で知っておくべきデメリットや注意点もあります。ここでは主なデメリットを2つ解説します。

スクリュー脱離のリスク

スクリュー固定式インプラントは、上部構造(被せ物)をスクリューでインプラント本体に固定する方式のため、スクリューが緩んだり脱離したりする可能性が完全にゼロとはいえません。発生頻度は低いものの、強い咬合力が継続的に加わる影響や、スクリュー自体の経年劣化によって不具合が生じる場合があります。

スクリューに緩みが生じると、被せ物が安定しなくなり、噛んだときに違和感を覚えるようになります。こうした変化に気づいた際は、早めに歯科医院を受診し、再固定や部品交換などの適切な処置を受けることが大切です。トラブルを早期に防ぐためにも、定期検診を受けて日頃から状態を確認しておきましょう。

定期的なメンテナンスの必要性

スクリュー固定式インプラントを長く安定して使用するためには、歯科医院での定期的な専門メンテナンスが欠かせません。診察では、インプラント全般に共通する管理項目に加え、スクリューの緩みの有無や、周囲の歯茎や骨の状態を専門家が丁寧に確認します。

また、インプラント周囲炎の兆候がないかをチェックし、必要に応じてスクリューの増し締めや被せ物の清掃などもメンテナンスの一環です。患者さんにとっては、定期的な通院や費用負担をデメリットに感じる場面もあるかもしれません。

しかし、こうしたメンテナンスを怠るとインプラントの寿命が短くなったり、トラブルを招いたりする可能性が高まります。定期的な管理が、インプラントを良好な状態で保つ重要なポイントです。

関連記事:インプラントの耐用年数は?平均寿命と長持ちさせる方法・再治療や費用まで徹底解説

インプラントのスクリュー固定とセメント固定を比較

インプラントの上部構造(被せ物)を固定する方法には、「スクリュー固定」と「セメント固定」の2種類があります。どちらにもメリットと注意点があり、口腔内の状態や治療の目的に合わせて選ばれます。それぞれの特徴を比べながら、違いを整理していきましょう。

比較項目 スクリュー固定 セメント固定
固定方法 上部構造を直接スクリューでアバットメントに固定する 上部構造をセメントでアバットメントに接着する
除去の容易さ スクリューを外すことで比較的容易に除去・再装着が可能 セメントを破壊する必要があり、除去が困難な場合がある
メンテナンス性 容易に上部構造を取り外せるため、周囲炎の治療やクリーニングがしやすい セメント除去の際に上部構造が破損するリスクがある
審美性 スクリューホール(穴)を埋める必要があるため、配慮が必要 穴がないため、天然歯に近い自然な見た目を再現しやすい
脱離・緩みのリスク スクリューの緩みや破損のリスクがある セメントの劣化や溶解により脱離するリスクがある
セメント残渣のリスク セメントを使用しないため、歯周組織への悪影響が少ない 残渣が歯ぐきに残り、炎症(インプラント周囲炎)を引き起こすリスクがある
主な適用ケース 奥歯や、将来的なメンテナンス性を重視する場合 前歯など審美性を最優先する場合や、構造上穴の位置が難しい場合

スクリュー固定は、上部構造をスクリューで直接固定するため、必要に応じて取り外しができ、メンテナンスや修理、交換が行いやすい点が特徴です。インプラント周囲の清掃もしやすく、長期管理に向いています。ただし、スクリューホールをレジンなどで塞ぐ必要があり、前歯など見た目を重視する部位では仕上がりに配慮が求められます。

一方、セメント固定はスクリューホールがないため、より自然な見た目を再現しやすく、審美性を重視したい場合に適した方法です。ただし、一度接着すると取り外しが難しく、修理時に被せ物を壊す必要が生じる場合があります。さらに、セメントが歯茎内に残るとインプラント周囲炎の原因になる可能性も否めません。

それぞれの利点と注意点に留意し、口腔内の状態や治療部位、重視したいポイントを踏まえて選択しましょう。

スクリュー固定式インプラントの治療の流れと期間

インプラント治療を検討するうえで、治療の流れや必要な期間は多くの方が気になるポイントです。ここでは、スクリュー固定式インプラントが初診から人工歯の装着まで、どのようなステップで進むのかを整理し、期間の目安とあわせて段階ごとに解説します。

診察・検査

インプラント治療は、詳細な診察と検査から始まります。歯科医師による口腔内の視診や触診に加え、レントゲン撮影やCTスキャンを行い、顎の骨の量や質、神経や血管の位置などを精密に確認する工程です。

これにより、患者様一人ひとりの口腔状態を正確に把握し、インプラント治療が可能かどうか、どのような治療計画が最適かを判断します。この段階で、治療のメリット・デメリット、費用、期間などについても十分に説明が行われます。

手術

精密な検査と治療計画に基づき、インプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋め込む外科手術を行います。手術は局所麻酔下で行われるケースが多く、痛みを感じることはほとんどありません。

埋入後、インプラント体が骨としっかりと結合するのを待つため、術後は一定の安静期間が必要です。手術自体は比較的短時間で終了しますが、術後の腫れや痛みを最小限に抑えるための処方や、注意事項の説明がなされます。

治癒期間

インプラント手術後は、インプラント体と顎の骨がしっかりと結合するための「オッセオインテグレーション」と呼ばれる治癒期間に入ります。インプラントが安定し、人工歯を支える土台として機能するために欠かせない重要なステップです。治癒に要する期間には個人差がありますが、一般的には上顎で約4〜6か月、下顎で約2〜3か月が目安とされています。

この間は、インプラント体に強い力が加わらないよう注意が必要で、硬いものを避けた食事や丁寧な口腔ケアが求められます。適切な過ごし方を心がけることで、インプラントの安定性が高まり、その後の治療をスムーズに進めやすくなります。

上部構造(被せ物)の装着

オッセオインテグレーションが完了し、インプラント体が骨にしっかりと固定されたことを確認した後、最終的な人工歯(上部構造)を装着します。まず、インプラント体の上にアバットメントと呼ばれる連結部品を取り付け、その上から患者様の歯型に合わせた人工歯を製作し、スクリューで固定する流れです。

色や形、噛み合わせの調整を慎重に行い、自然で美しい仕上がりを目指します。これにより、失われた歯の機能と審美性が回復し、治療は完了となります。

スクリュー固定式インプラントにかかる費用

スクリュー固定式インプラントの費用は、1本あたり30万円〜50万円程度が目安とされていますが、実際の金額は歯科医院や治療内容によって大きく異なります。

一般的な費用の内訳は、初診時の診査・診断料、レントゲンやCT撮影などの検査費用、インプラント体を顎の骨に埋め込む手術費用、インプラント体と被せ物をつなぐアバットメントの費用、上部構造(被せ物)の費用などです。

さらに、骨の量が不足している場合には骨造成などの追加処置が必要となり、別途費用が発生するケースもあります。被せ物の素材にセラミックやジルコニアを選ぶと、審美性や耐久性が高まる分、費用も上がる傾向にあります。治療前には必ず見積もりを確認し、内容を理解したうえで進める姿勢が大切です。

スクリュー固定式インプラント治療後のメンテナンス方法

インプラント治療は、上部構造の装着で終わりではありません。長期的にインプラントを維持するためには、適切なメンテナンスが不可欠です。ここでは、治療後の日常的なセルフケアと、歯科医院での定期検診の重要性、具体的な方法について詳しく解説します。

日常のセルフケア

インプラントを長持ちさせるためには、ご自宅での丁寧なセルフケアが欠かせません。天然歯と同じようにインプラントも「インプラント周囲炎」という歯周病に似た炎症を起こす可能性があります。これを防ぐためには、毎日正しくブラッシングする必要があります。

インプラントの周囲は、天然歯よりも細菌が付着しやすい特徴があります。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、インプラントと歯茎の境目や、隣接する歯との間の汚れを丁寧に除去しましょう。

歯科医師や歯科衛生士から、ご自身に合った清掃器具の選び方や、効果的な使い方について指導を受け、実践すると安心です。

定期検診の重要性

インプラント周囲炎などのトラブルを早い段階で発見し、インプラントを長く快適な状態で保つためには、定期的なケアとチェックの継続が欠かせません。そのため、歯科医院から指示された間隔を守り、忘れずに受診することが大切です。定期検診では、主に次のような専門的なケアが行われます。

プロフェッショナルクリーニング

日常のブラッシングでは除去しきれないプラークや歯石を、専用の器具を使って徹底的に清掃します。細菌の増殖を抑え、インプラント周囲炎の予防に役立つケアです。

咬合(噛み合わせ)のチェック

インプラントに過度な力がかかっていないかを確認し、噛み合わせのバランスを評価します。必要に応じて調整を行い、インプラントへの負担を軽減します。

インプラントの状態確認

インプラント体や上部構造、周囲の歯茎の状態を細かく診察し、必要に応じてX線撮影を行いながら異常の有無を確認します。

口腔衛生指導

セルフケアの状況をチェックし、ブラッシング方法や清掃補助器具の使い方など、より効果的なケア方法についてアドバイスを受けられます。

スクリュー固定式インプラントのリスクと合併症対策

どのような医療行為にもリスクは伴いますが、スクリュー固定式インプラント治療も例外ではありません。しかし、それらのリスクを事前に理解し、適切な対策を講じることで、多くは回避または最小限に抑えることが可能です。このセクションでは、スクリュー固定式インプラント治療で起こりうる主なリスクと合併症、そしてそれぞれの対策について解説します。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎は、インプラントの周囲組織に細菌感染が起こり、歯周病と同じように顎の骨が溶けてしまう病気です。インプラント治療において比較的起こりやすいトラブルの一つで、進行するとインプラントが不安定になり、最悪の場合は脱落につながる恐れもあります。

そのため、日頃からの予防と早期対応が欠かせません。主な対策方法は、以下の通りです。

徹底した口腔衛生管理

毎日の丁寧な歯磨きに加え、フロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間やインプラント周囲の汚れをしっかり除去しましょう。磨き残しを減らす意識が、インプラント周囲炎の予防につながります。

定期的な歯科検診とプロフェッショナルクリーニング

歯科医院での専門的なクリーニングにより、セルフケアでは落としきれないプラークや歯石を除去することも大切です。また、異常の早期発見にもつながり、重症化を防ぎやすくなります。

禁煙

喫煙は血流を悪化させ、歯茎の免疫力を低下させるため、インプラント周囲炎のリスクを大幅に高めます。インプラントを長く安定して使うためには、禁煙したほうがよいでしょう。

スクリューの緩みや脱離

スクリュー固定式インプラントは、上部構造(被せ物)をアバットメント(インプラントと上部構造をつなぐ部品)にスクリューで固定する仕組みです。安定性に優れた方法ですが、日常の咀嚼による力の蓄積などにより、まれにスクリューが緩んだり外れたりするケースもあります。

早めに対処すれば大きなトラブルを防げるため、日頃のチェックが欠かせません。主な対策方法は、以下の通りです。

定期的なチェック

定期検診の際に歯科医師がスクリューの緩みの有無を確認し、必要に応じて締め直しを行います。トラブルを未然に防ぐための重要なケアです。

異常を感じたら早めに受診

噛み合わせに違和感がある、被せ物が動く感じがする、カチカチと音がするなどの変化に気づいた場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。早期対応によって、修理や再固定も比較的簡単に行えます。

神経損傷

インプラントを埋入する際には、ごく稀に下顎の神経(下歯槽神経)や上顎の上顎洞といった重要な組織を損傷するリスクが発生します。万が一、神経に影響が及ぶと、唇や舌、頬にしびれや麻痺といった症状が現れる可能性があるため注意が必要です。主な対策方法は、以下の通りです。

事前の精密検査

CTスキャンなどを用いて三次元的に口腔内を撮影し、神経や血管、骨の厚みや形状を正確に把握する検査です。これにより、リスクを最小限に抑えた安全な治療計画を立てやすくなります。

経験豊富な歯科医師による施術

インプラント治療の実績が豊富な歯科医師が担当することで、神経の位置を十分に考慮した埋入計画が可能になります。適切な技術と慎重な手技によって、トラブルの発生リスクを大きく低減できます。

上部構造(被せ物)の破損や欠け

上部構造(被せ物)はセラミックなどの硬く耐久性の高い素材で作られていますが、強い衝撃が加わったり、噛み合わせのバランスが崩れたりすると、破損や欠けが生じる可能性があります。特に、無意識の食いしばりや歯ぎしりがある場合は、想像以上に大きな力がかかるため注意が必要です。こうしたトラブルを防ぐためには、日常生活での意識と歯科医院での管理が重要になります。

主な対策方法は、以下の通りです。

適切な噛み合わせの調整

治療完了時や定期検診の際に、歯科医師が噛み合わせを細かく確認し、必要に応じて調整を行います。過度な力が一点に集中しない状態を保つことで、被せ物への負担を軽減できます。

食生活への配慮

硬すぎる食べ物や氷、ナッツ類などを強く噛む行為は、上部構造の破損につながる恐れがあります。日常的に無理な力をかけない意識が大切です。

ナイトガードの着用

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、就寝時にナイトガードの装着により、上部構造やインプラントにかかる負担を分散させる効果が期待できます。

スクリュー固定式インプラントに関するよくある質問(FAQ)

Q. スクリュー固定式インプラントは痛いですか?

インプラント手術と聞くと「痛そう」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、スクリュー固定式インプラントの手術は、局所麻酔を十分に行うため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。麻酔が切れた後も、処方される鎮痛剤を服用することで、痛みをコントロールできます。

痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの場合は抜歯後と同程度の痛みで、数日以内には落ち着くケースがほとんどです。

Q. スクリュー固定式インプラントはどのくらい持ちますか?

スクリュー固定式インプラントの寿命は、患者さんの口腔ケアの状態や全身の健康状態、そして定期的なメンテナンスの有無によって大きく異なります。一般的には10年から15年程度、良好な状態を保てば20年以上使用できるケースも少なくありません。

長持ちさせるためには、毎日の丁寧なブラッシングと、歯科医院での定期的な検診・クリーニングが不可欠です。

Q. 抜歯した歯の代わりにスクリュー固定式インプラントはできますか?

はい、抜歯した歯の代わりにスクリュー固定式インプラントをすることは可能です。多くの場合、抜歯後しばらく期間を空け、顎の骨が十分に回復してからインプラント手術を行います。

抜歯後すぐにインプラントを埋入する「抜歯即時埋入」という方法もあります。どちらの治療法が適用できるかは、抜歯した部位の骨の状態や感染の有無によって異なるため、歯科医師との詳細な相談が必要です。

まとめ:あなたに合ったインプラント治療法を見極めるために

本記事では、インプラントのスクリュー固定について、仕組みやメリット・デメリット、治療期間や費用、メンテナンスの重要性まで幅広く解説してきました。スクリュー固定式は、審美性の高さや安定した噛み心地、上部構造を取り外せる点によるメンテナンス性の良さが大きな魅力です。

一方で、スクリューの緩みや定期的な管理が必要といった注意点もあります。インプラント治療は、口腔内の状態や生活習慣、治療に求める理想によって最適な方法が異なります。歯科医師と十分に相談し、自分に合った治療法を選ぶことが、満足度の高い結果につながるでしょう。

インプラントについてお悩みの方は、武蔵小杉グレイス歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。

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日付:  カテゴリ:インプラントコラム

インプラントの寿命30年説は本当?長く使い続けるための秘訣を解説

インプラント治療を検討する際、どれくらいの期間使えるのかは多くの方が気になる点ではないでしょうか。寿命は30年ともいわれますが、本当にそこまで持つのか、将来的に再治療が必要になるのか、不安を感じる方も少なくありません。

インプラントは高額になりやすい治療だからこそ、できるだけ長く、安定して使い続けたいと考えるのは自然なことです。本記事では、インプラントの寿命に関する最新データや専門家の見解をもとに、30年といわれる理由や実際の考え方を整理します。

インプラントの平均寿命と30年説の真実

インプラントがどれくらいの期間使えるのかは、治療を検討するうえで重要な判断材料の一つです。高額になりやすい治療だからこそ、耐久性や長期的な安定性に関心が集まります。

ここでは、インプラントの平均的な寿命に関するデータをもとに、30年といわれる理由や長期使用が可能とされる背景について解説します。

関連記事:インプラントとは?治療の全てをわかりやすく解説!費用、期間、成功率、注意点について

インプラントの平均寿命と統計から見た実態

インプラントの平均寿命については、国内外の多くの研究で検証されており、一般的には10年から15年程度とされています。ただし、これは統計上の平均に過ぎず、実際には20年以上、なかには30年以上問題なく機能している例も少なくありません。

たとえば、スウェーデンで実施された長期追跡調査では、インプラントの10年生存率が90%以上、20年後でも約80%という高い数値が報告されています。これらの結果は、適切な手術が行われ、良好な口腔衛生状態が保たれ、定期的なメンテナンスが継続された場合のデータです。

インプラントの寿命は一律ではなく、口腔内の状態や生活習慣、メンテナンスの状況など、さまざまな要因によって大きく左右されます。

インプラントの寿命30年説の真実と長期使用の可能性

インプラントが30年持つという話を耳にした方もいるでしょう。この数字は誇張ではなく、条件が整えば現実的に目指せる耐用年数と考えられています。

その根拠の一つが、インプラント治療の基礎を築いた研究です。初期の臨床研究では、インプラントと骨が強固に結合するオッセオインテグレーションが長期にわたり安定し、30年以上機能している症例も確認されました。

インプラント寿命30年は、あくまで可能性を示す指標であり、適切な管理によって到達し得る水準といえるでしょう。ただし、すべての症例に当てはまるわけではなく、長期維持には以下のような条件が求められます。

関連記事:インプラントの耐用年数は?平均寿命と長持ちさせる方法・再治療や費用まで徹底解説

適切な診断と手術

経験豊富な歯科医師による正確な診断と、骨の状態に適したインプラント選択、精密な手術手技が基盤となります。事前の検査や治療計画の精度が高いほど、術後のトラブルリスクを抑えやすくなります。

日々の口腔ケアの徹底

毎日の歯磨きに加え、フロスや歯間ブラシを取り入れた丁寧なセルフケアが重要です。磨き残しを減らす意識が、インプラント周囲炎の予防につながります。

定期的なプロフェッショナルケア

歯科医院での定期検診や専門的なクリーニングにより、トラブルの予防につながります。自覚症状の出にくい異変も早期に発見し、適切な対応を受けやすくなります。

健康的な生活習慣

喫煙や過度な飲酒を控え、全身の健康状態を良好に保つ姿勢もインプラント寿命30年に影響します。全身状態の安定は、インプラント周囲の組織環境を守るうえでも重要です。

関連記事:インプラントをメンテナンスする頻度は?他院での対応やセルフケアも紹介

インプラントの寿命が30年以上持続する可能性

インプラント治療の進歩により、30年以上にわたり良好な状態を維持できる可能性は高まっています。ただし、治療を受けただけで自然に達成されるわけではありません。いくつかの重要な条件が揃うことで、インプラントの長期的な安定性は大きく左右されます。

30年以上の長期維持を左右するポイント

インプラント治療で30年以上にわたり良好な状態を維持するには、患者様の口腔内環境だけでなく、複数の要因が相互に影響します。特に重要となるポイントが、精度の高い治療計画と、経験豊富な歯科医師による的確な手術です。

顎骨の量や質を正確に診断し、適切な位置と角度でインプラントを埋入できるかどうかが、長期安定性を大きく左右します。埋入精度が不十分な場合、早期トラブルやインプラント周囲炎のリスクが高まるでしょう。

さらに、使用するインプラント体の品質も長期予後に影響します。生体親和性に優れ、骨との結合が安定しやすい素材や、長期間の使用を想定した設計が採用されているかが重要な判断材料となります。

加えて、治療後のセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスも欠かせません。日常管理と専門的なフォローが継続されてはじめて、インプラントの性能を長期間維持しやすくなります。

インプラントを長く使い続けている人の共通点

インプラントを20〜30年近く良好な状態で維持している方々の事例からは、共通する実践ポイントが見えてきます。

例えば70代のAさんは、50代でインプラント治療を受けて以来、現在も不自由なく食事を楽しんでいます。Aさんが継続しているのは、毎食後の丁寧な歯磨きに加え、デンタルフロスや歯間ブラシを用いたセルフケアです。

さらに、年3〜4回の定期検診を欠かさず受け、専門的なクリーニングと状態確認を続けています。違和感を覚えた際は早めに歯科医院へ相談する姿勢も、長期維持につながっているでしょう。

インプラント寿命30年を左右する主な要因

インプラントの寿命は、単純に何年と決められるものではなく、さまざまな要因によって大きく変わります。ここでは、インプラントが長く安定して使えるかどうかに影響する具体的なポイントを整理し、寿命を左右する背景を詳しく解説します。

インプラントを長く使い続けるためのポイント

インプラントを長期間にわたり快適に使い続けるには、複数の重要な要素が相互に関係します。これらを適切に取り入れることで、インプラントの寿命をできる限り伸ばしやすくなります。

適切な手術と正確な埋入

 インプラント治療の成功は、まず適切な診断と熟練した歯科医師による正確な手術に大きく依存します。インプラントが骨にしっかりと結合し、適切な位置に埋入されることが長期安定の基本です。

高品質なインプラント材料の選択

 使用されるインプラント体や上部構造の材料品質も重要です。生体親和性が高く、耐久性に優れた材料を選ぶことで、長期間にわたる安定性が確保されます。

術後の定期メンテナンス

 インプラント治療後も、歯科医院での定期的な検診とプロフェッショナルクリーニングは欠かせません。これにより、インプラント周囲炎などのトラブルを早期に発見し、対処することができます。

日常的な口腔ケアの習慣化

 毎日の丁寧な歯磨きやデンタルフロス、歯間ブラシを使ったセルフケアは、インプラント周囲の清潔を保ち、細菌の増殖を防ぐ上で非常に重要です。

健康的な生活習慣の維持

 喫煙はインプラント周囲炎のリスクを高めるため、禁煙が推奨されます。また、バランスの取れた食事や適度な運動による全身の健康維持、糖尿病などの全身疾患の適切な管理も、インプラントの寿命に良い影響を与えます。

インプラントの寿命を短くする主な要因

インプラントの寿命を短くしてしまう要因も無視できません。こうしたリスクを正しく理解し、早い段階から対策を意識する姿勢が、インプラントを長く安定して使い続けるうえで重要になります。ここでは、主な要因を5つ解説します。

メンテナンス不足

歯科医院での定期検診を怠ったり、自宅での口腔ケアが不十分だったりすると、インプラント周囲にプラークや歯石が蓄積し、インプラント周囲炎を引き起こすリスクが高まります。

喫煙週間

喫煙は、血流を悪化させ、免疫力を低下させるため、インプラントと骨の結合を阻害したり、インプラント周囲炎の進行を早めたりする最大の危険因子の一つです。

過度な咬合負荷(歯ぎしり・食いしばり)

 歯ぎしりや食いしばりなどによってインプラントに過度な力がかかると、インプラント体や上部構造にダメージを与えたり、骨との結合が緩んだりする原因となることがあります。ナイトガードの使用などで対策が必要です。

全身疾患の影響

特に糖尿病がコントロールされていない場合や、骨粗しょう症で特定の薬剤を服用している場合など、全身疾患がインプラントの安定性や治癒に悪影響を及ぼすことがあります。

インプラント周囲炎

 インプラント周囲炎は、天然歯の歯周病と同様に、インプラント周囲の歯ぐきや骨が炎症を起こし、最終的にインプラントが抜け落ちてしまう原因となる病気です。これはインプラントの寿命を縮める最も深刻な要因の一つです。

インプラント寿命30年を目指すための秘訣

インプラントを長く、快適に使い続けるためには、日々のセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアが不可欠です。ここでは、インプラントの寿命を最大限に延ばすための具体的な秘訣をご紹介します。

インプラント寿命を支える口腔衛生習慣

インプラントを長く安定して使い続けるうえで、日々の口腔衛生習慣は欠かせない要素です。インプラント周囲は天然歯と同様に細菌が付着しやすく、ケアが不十分な状態が続くと、インプラント周囲炎などのトラブルにつながりやすくなります。

毎日のセルフケアを丁寧に積み重ねる姿勢が、インプラントの寿命を大きく左右します。効果的なセルフケアのポイントは以下の通りです。

毎日の丁寧な歯磨き

インプラント周囲は、歯ブラシの毛先を歯ぐきとの境目に軽く当て、小刻みに動かしながら汚れを落とします。強く磨きすぎず、細かい動きを意識する点が重要です。インプラント専用ブラシややわらかめの歯ブラシを選ぶと、歯ぐきへの負担を抑えやすくなります。

デンタルフロス・歯間ブラシの併用

歯ブラシだけでは届きにくい部分には、デンタルフロスや歯間ブラシを活用します。インプラント同士の間や天然歯との境目に残りやすい汚れを取り除く意識が大切です。適切なサイズや種類は、歯科医師や歯科衛生士へ相談すると安心です。

口腔洗浄液の活用

補助的なケアとして、殺菌成分を含む口腔洗浄液の使用も役立ちます。ブラッシング後に取り入れることで、口腔内を清潔な状態に保ちやすくなり、炎症リスクの低減も期待できます。

定期的な歯科医院メンテナンスの重要性

日々のセルフケアに加え、歯科医院で受ける定期的なメンテナンスは、インプラントの寿命に大きな影響を与える重要なポイントです。専門家によるチェックやケアを継続することで、自覚しにくい変化やトラブルの兆候も早い段階で把握しやすくなります。

また、定期検診やクリーニングを続けていれば、インプラント周囲炎などのリスクを抑えやすく、異常が見つかった場合でも早期対応が可能です。受診頻度は口腔内の状態によって異なるものの、一般的な目安としては3か月〜半年に一度とされています。こうした定期検診では、主に次のような項目が確認されます。

プロフェッショナルクリーニング

歯科衛生士が専用器具を使用し、歯ブラシでは落としきれないプラークや歯石を除去します。インプラント周囲は清掃方法が異なるため、専門的なクリーニングが欠かせません。

インプラントの状態チェック

歯科医師がインプラントの安定性や噛み合わせ、人工歯の破損の有無を確認します。あわせて、歯ぐきの腫れや出血など、周囲組織の状態も丁寧に評価します。

X線検査

定期的なX線撮影により、インプラントと骨の結合状態や骨吸収の有無を確認します。肉眼では確認できない変化も把握しやすくなり、必要に応じた早期対応につながります。

インプラントを長持ちさせる生活習慣

インプラントの寿命は、口腔内のケアだけで決まるものではありません。全身の健康状態や、喫煙・食事・運動といった日々の生活習慣とも深く関係しており、その影響は無視できないでしょう。

これらの生活習慣を意識して整える取り組みが、インプラントの長期的な安定を支える重要な要素になります。また、生活習慣の見直しは、インプラントを良好な状態で維持するだけでなく、健康寿命の維持にもつながります。

歯科医師や管理栄養士と相談しながら、自身のライフスタイルに合った改善を進めていく姿勢が大切です。以下では、生活習慣のポイントを具体的に紹介します。

喫煙・飲酒のコントロール

喫煙は血流を悪化させ、治癒を妨げる要因となり、インプラント周囲炎のリスクを高めます。過度な飲酒も免疫力の低下や口腔環境の悪化につながるため、治療後は禁煙を基本とし、飲酒は適量を心がけましょう。

栄養バランスを意識した食事

バランスの取れた食事は全身の健康維持に役立ち、免疫機能の安定にも影響するポイントです。カルシウムやビタミンDなど、骨の健康を支える栄養素を意識して摂取する意識が、インプラントを支える骨の状態維持につながります。

ストレスの適切な管理

強いストレスは歯ぎしりや食いしばりを招きやすく、インプラントに過度な負担をかける原因になります。日常的にリフレッシュの時間を確保し、心身の緊張を和らげる工夫が大切です。

適度な運動の継続

適度な運動は血行を促進し、全身のコンディションを整えます。その結果、インプラント周囲の組織環境にも良い影響を与えやすくなります。

インプラントの寿命30年を目指すためのインプラント周囲炎対策

インプラントの寿命30年を目指すうえで、避けて通れないのがインプラント周囲炎への対策です。インプラント周囲炎は、進行すると顎骨の吸収を招き、インプラントの安定性を大きく損なう要因となります。

ただし、正しい知識を持ち、日常のケアや定期的なメンテナンスを継続すれば、発症や悪化のリスクは抑えられます。ここでは、インプラント周囲炎を防ぎ、長期的な安定を保つために押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

インプラント周囲炎とは|原因と進行による症状

インプラント周囲炎は、インプラントの周囲にある歯ぐきや顎骨に炎症が生じる疾患です。

性質は天然歯に起こる歯周病とよく似ており、進行すると顎骨の吸収を招きます。歯を支える骨が失われるとインプラントの安定性が低下し、結果として寿命に大きな影響を及ぼす点は見過ごせません。そのため、インプラント治療後に注意すべき代表的なリスクの一つとされています。

主な原因は、インプラント周囲に付着したプラークによる細菌感染です。初期には歯ぐきの赤みや腫れ、ブラッシング時の出血など、軽度な症状が現れるケースが多いでしょう。

しかし進行すると、歯ぐきからの排膿や口臭の悪化、顎骨の吸収といった変化が目立ち始め、最終的にはインプラントのぐらつきや脱落に至る可能性も否定できません。喫煙習慣や糖尿病などの全身疾患がある場合、発症や進行のリスクが高まる傾向も指摘されています。

効果的な予防策とセルフチェックのポイント

インプラント周囲炎を防ぐためには、日々のセルフケアと歯科医院で受ける定期的なメンテナンスの両立が欠かせません。毎日のブラッシングを丁寧に行うだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロス、口腔洗浄液などを取り入れ、インプラント周囲に付着しやすいプラークを確実に除去する意識が重要です。

清掃器具の選び方や使い方については、歯科医師や歯科衛生士の指導を受けると安心でしょう。あわせて、自身のケアでは落としきれない汚れを除去するため、歯科医院での定期検診とプロフェッショナルクリーニングを継続する姿勢も大切です。

受診の目安は3か月から6か月に一度とされますが、口腔内の状態に応じて調整されます。さらに、喫煙習慣の見直しや、糖尿病など全身疾患の適切な管理も、インプラント周囲炎の予防につながります。

自宅でできるセルフチェックとしては、以下の点に注意してください。

  • インプラント周囲の歯茎が赤く腫れていないか
  • ブラッシング時やフロス使用時に出血がないか
  • 口臭が強くなっていないか
  • 歯茎から膿が出ていないか
  • インプラントがグラグラする感じがないか

早期発見と適切な治療の重要性

インプラント周囲炎は、早い段階で発見し適切な治療を行えば、進行を抑えながらインプラントの寿命を延ばしやすくなります。初期であれば、専門的なクリーニングや抗菌薬を用いた処置によって、症状の改善が期待できるでしょう。一方、炎症が進行して顎骨の吸収が進んだ場合には、外科的な治療が必要になるケースもあります。

インプラント周囲炎を放置すると、インプラントを支える骨が徐々に失われ、最終的にインプラントが脱落する可能性も否定できません。セルフチェックで違和感や異変に気づいた際は、そのまま様子を見るのではなく、早めに歯科医院を受診し専門的な診断を受ける姿勢が重要です。早期対応を心がける意識が、インプラントを長く安定して使い続けるための大きな支えとなります。

インプラント寿命30年を妨げるリスクとその対策

インプラントを長持ちさせるためには、日々のメンテナンスだけでなく、寿命を縮める可能性のあるリスク要因を理解し、適切に対策を講じることが大切です。ここでは、インプラントの寿命に悪影響を及ぼす主なリスクと、それぞれの対策について詳しく解説します。

喫煙・飲酒がインプラント寿命に及ぼす影響と対策

喫煙は、インプラントの寿命を縮める代表的なリスク要因です。タバコに含まれるニコチンやタールは血管を収縮させ、血流を悪化させます。その結果、インプラントと骨の結合を妨げ、治癒の遅れやインプラント周囲炎の発症リスクにつながりかねません。実際、喫煙者は非喫煙者と比べ、インプラントの失敗率が高い傾向も指摘されています。

また、過度な飲酒も注意が必要です。口腔内環境の悪化や免疫機能の低下を招き、治癒や長期安定に悪影響を及ぼす可能性があります。特に手術直後の飲酒は、出血や腫れを助長する要因となります。

対策として、インプラント治療を検討する段階から禁煙に取り組む姿勢が大切です。禁煙外来や支援プログラムの活用も効果的でしょう。飲酒は適量を意識し、治療期間中は控える心がけが求められます。

歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)への対応

歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)は、無意識のうちに歯やインプラントへ強い力を加える習慣です。インプラントは顎骨に直接固定されており、天然歯のようなクッション機能がありません。

そのため、持続的で強い力がかかると、インプラント体や上部構造の破損、さらには周囲の骨吸収を招くおそれがあります。こうした負荷が続くと、インプラントの安定性が低下し、寿命を大きく縮める要因となります。

歯ぎしりや食いしばりの自覚がある場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。対策としては、就寝時に装着するカスタムメイドのマウスピース(ナイトガード)が効果的とされています。これにより、インプラントにかかる力を分散し、ダメージを抑えやすくなります。

加えて、ストレスが誘因となるケースも多いため、生活習慣の見直しやストレス管理を意識する点も欠かせません。重度の場合には、筋肉の緊張を和らげる治療が検討される場合もあります。

全身疾患がインプラント寿命に及ぼす影響|糖尿病との関係

全身の健康状態は、インプラントの寿命に大きく関わります。特に糖尿病は、治療後の経過を左右しやすい要因の一つです。血糖値が高い状態が続くと免疫機能が低下し、感染症のリスクが高まります。その結果、インプラント周囲炎を発症しやすくなり、インプラントと骨の結合が不安定になる可能性があります。

さらに、骨粗しょう症など骨の質に影響する疾患も、インプラントの定着に影響を及ぼす場合があります。

インプラントを長く安定して使用するためには、全身疾患の適切な管理が欠かせません。糖尿病のある方は、治療前に血糖コントロールを整え、治療後も定期的な検査や服薬を継続する姿勢が重要です。ほかの疾患を抱えている場合も、歯科医師に正確に伝え、主治医と連携した治療計画を立てる点が、インプラントの長期安定につながります。

インプラント寿命30年をめぐるQ&A

ここでは、インプラントの寿命に関してよく寄せられる疑問にお答えします。インプラント治療への理解を深め、不安を解消するための一助となれば幸いです。

Q1. インプラントの再治療は可能ですか?

インプラントは、条件が整えば再治療が可能です。ただし、再治療を検討する際には、最初のインプラントがなぜ機能しなくなったのか原因を明確にする必要があります。原因を把握せずに再治療を行っても、同様のトラブルが再発する可能性は否定できません。

再治療が行えるかどうかは、顎骨の量や質、周囲組織の健康状態、治療を希望する部位の状況によって左右されます。骨の不足が認められる場合には、骨造成などの追加処置が検討されるでしょう。

また、費用については初回治療と同程度、あるいは状況によってはそれ以上かかる場合もあります。治療内容や見通しについては、事前に歯科医師と十分に相談しておくと安心です。

Q2. インプラントの保証期間はどれくらいですか?

インプラントの保証期間は、歯科クリニックによって大きく異なります。一般的には、インプラント体(フィクスチャー)に対しては10年以上の長期保証を設けているクリニックが多く、上部構造(人工歯)には5年程度の保証期間が設定されていることが多いです。

ただし、保証が適用されるには、定期的なメンテナンスを継続していることや、患者さんの自己管理が適切であることなどの条件が設けられていることがほとんどです。契約前に必ず保証内容を確認しましょう。

Q3. インプラントの寿命が尽きたらどうなりますか?

インプラントの寿命が尽きた状態とは、インプラントにぐらつきが生じたり、痛みや違和感が現れたり、最終的に脱落に至ったりするケースを指します。原因として多いのは、インプラント周囲炎の進行や、歯ぎしり・食いしばりなどによる過度な負荷です。

万が一インプラントが十分に機能しなくなった場合でも、治療の選択肢がなくなるわけではありません。状態によっては再治療が検討される場合もありますし、再治療が難しい場合には、ブリッジや入れ歯(義歯)といった代替治療を選ぶことになるでしょう。

いずれにしても、早めに歯科医師へ相談し、口腔内の状態に合った処置を受ける姿勢が重要です。

Q4. 若くてもインプラントは長持ちしますか?

若年層でも、条件が整えばインプラントは長期的に安定して機能しやすい治療法です。ただし、治療にあたってはいくつか注意点があります。

特に重要なポイントが、顎の骨の成長がすでに完了しているかどうかの確認です。成長途中の段階でインプラントを埋入すると、顎の発育に伴いインプラントが周囲の歯より沈んで見えるなど、問題が生じる可能性があります。そのため、一般的には骨の成長が落ち着く20歳前後を一つの目安とするケースが多いようです。

適切な診断と継続的なケアが行われれば、若年層であってもインプラントを長く使い続ける選択は十分に現実的といえるでしょう。

Q5. インプラントの費用対効果について教えてください。

インプラント治療は初期費用が高く感じられがちですが、長期的に見ると費用対効果の高い選択肢と考えられます。ブリッジや義歯と比べ、天然歯に近い噛み心地や自然な見た目を再現しやすく、周囲の健康な歯を削らずに済む点は大きな特長です。

その結果、口腔全体の健康維持にも良い影響を与えます。適切なメンテナンスを続ければ、10年、20年、さらにはそれ以上にわたって安定した使用が期待できるでしょう。

その間に得られる食事の満足感や発音のしやすさ、見た目への自信は、生活の質を大きく高めます。インプラント治療は、短期的な費用だけでなく、将来の健康を見据えた投資として捉える姿勢が重要です。

まとめ:インプラントとの賢い付き合い方

インプラントの寿命について、30年という可能性から実現に向けたポイント、注意すべきリスクまで解説してきました。インプラント治療は、失った歯を補うだけでなく、噛む力や見た目の自然さを取り戻し、生活の質を高める選択肢です。適切なセルフケアと定期的なメンテナンスを継続すれば、長期にわたり安定した使用が期待できるでしょう。そのためには、信頼できる歯科医師と連携し、変化を早期に把握する姿勢が欠かせません。一時的な費用だけで判断せず、将来の口腔健康への投資として捉える意識が大切です。本記事が、不安を整理し、前向きに治療を検討するための参考になれば幸いです。

インプラントについてお悩みの方は、武蔵小杉グレイス歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。

武蔵小杉の歯医者|武蔵小杉グレイス歯科・矯正歯科

日付:  カテゴリ:インプラントコラム

歯科から考える細菌叢コントロールとは?お口の環境が全身の健康につながる理由

 

こんにちは。

武蔵小杉グレイス歯科です。

 

 

お口の中には、実は数百種類、数千億個もの細菌がすみついていることをご存じでしょうか?これらの細菌は単独で存在しているのではなく、「口腔細菌叢(こうくうさいきんそう)」、いわゆる口内フローラとしてバランスを保ちながら共存しています。歯科医療というと、むし歯菌や歯周病菌といった“悪い菌”を取り除くイメージを持たれがちですが、近年では単純に細菌を減らすだけでは不十分であることが分かってきました。今回は、歯科における細菌叢コントロールについてご紹介します。

 

口腔細菌叢(口内フローラ)とは何か

 

口腔細菌叢とは、お口の中に存在する細菌の集団とそのバランスのことを指します。健康な口腔内では、むし歯や歯周病の原因となる細菌がゼロになっているわけではなく、善玉菌や日和見菌と共に一定の秩序を保っています。しかし、歯磨きが不十分であったり、唾液の分泌が減少したり、生活習慣が乱れたりすると、このバランスが崩れ、病原性の高い細菌が優位な状態へと傾いてしまいます。こうした口腔細菌叢の乱れが、むし歯や歯周病の発症・進行を引き起こす大きな要因となります。

 

 

口腔から全身へ広がる影響と「殺す」から「整える」発想

 

 

 

口腔内の細菌叢の乱れは、お口の中だけの問題にとどまりません。歯周病は糖尿病の血糖コントロールを悪化させることが知られており、心血管疾患や認知症との関連も数多く報告されています。さらに、口腔内で増えた有害な細菌や炎症物質は、唾液や嚥下を通じて体内に入り、腸内環境の悪化にも影響を及ぼします。このような背景から、近年の歯科医療では、細菌を「殺す」「除去する」ことだけを目的とするのではなく、細菌叢全体のバランスを「整える」視点が重視されるようになっています。過度な殺菌は、かえって環境を不安定にし、再発を招く可能性があるためです。

 

口腔環境が全身に与える影響

 

お口と腸は、食べ物や唾液を介して直接つながる消化管の一部であり、口腔内環境は腸内環境に大きな影響を及ぼします。口腔内で増殖した歯周病関連細菌や炎症性物質は、嚥下によって体内へと取り込まれ、腸内フローラのバランスを乱す要因となることが分かってきました。逆に、腸内環境が乱れていると免疫機能が低下し、歯周病が悪化しやすくなるなど、双方向の関係が存在します。よく噛んで食べること、唾液分泌を促すこと、そして口腔細菌叢を安定した状態に保つことは、腸内環境の健全化にもつながり、全身の健康を支える重要な役割を果たしています。

 

 

まとめ

 

歯科における細菌叢コントロールとは、むし歯菌や歯周病菌を単純に排除することではなく、口腔内に存在する多様な細菌のバランスを整え、安定した環境を維持することです。細菌を過度に「殺す」発想から、「整える」視点へと転換することで、再発予防や全身疾患リスクの低減が期待できます。定期的な歯科受診と適切なセルフケアを通じて口腔環境を整えることは、結果として腸内環境や全身の健康を守ることにもつながります。お口の健康を見直し、これからの健康管理に役立てていきましょう。

 

 

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