こんにちは、武蔵小杉グレイス歯科です。
「よく噛んで食べましょう」と言われることは多いですが、実際にどんな効果があるのかは意外と知られていません。噛むことは単に食べ物を細かくするだけでなく、脳や身体全身体にうれしい変化が期待できる習慣です。
お口の健康維持にも役立つため、毎日の食事で少し意識してみましょう。今回は、よく噛むことが脳と身体に与える主な効果と、今日からできるちょっとした工夫をご紹介します。
脳への効果
噛むという動作は、脳に適度な刺激を与えるといわれています。食事中に顎を動かすことで注意・覚醒の維持に役立ち、気分の切り替えを助けることがあります。たとえば、噛むことで眠気がやわらいだり、気持ちがすっきりしたりする体験と一致します。
なお、噛むこと自体が学力や記憶を直接高めるといった効果を断定できるわけではありません。日常の中で無理のない範囲で「よく噛む」ことを心がけるのがポイントです。
また、しっかり噛む習慣は高齢の方にとっても大切です。脳が刺激を受け続けることで、心身の活動性を保つ助けになるといわれています。
身体への効果
よく噛むことは、お口の中だけでなく全身の健康にも関わっています。消化を助けたり、食べ過ぎを防いだりするほか、唾液の分泌を促してむし歯や歯周病の予防にもつながります。毎日の食事で少し意識するだけでも、体にうれしい変化が期待できます。
・消化を助ける
食べ物を細かく噛み砕くことで、胃や腸に負担をかけずに消化吸収が進みやすくなります。唾液には消化を助ける酵素も含まれているため、噛む回数が多いほど効率よく消化の準備が整います。
・食べ過ぎを防ぐ
よく噛むと、満腹中枢が刺激されて「おなかいっぱい」と感じやすくなります。自然と食べ過ぎを抑えられるため、肥満予防の観点からも大切です。忙しいとつい早食いになりがちですが、噛む回数を意識するだけで体調管理にもつながります。
・お口の健康を守る
噛むことによって唾液の分泌が増えます。唾液はむし歯や歯周病を予防する大切な役割を持っており、酸を中和して歯を守ったり、細菌の増殖を抑えたりします。さらに、お口の乾燥を防ぐことで口臭予防にも役立ちます。
・飲み込みをスムーズに
食べ物をよく噛んで小さくすることでのどを通りやすくなり、安全に飲み込むことができます。特に高齢の方やお子様にとっては、誤嚥(食べ物が気管に入ってしまうこと)のリスクを減らす助けになります。
「30回噛む」習慣づけ
「一口につき30回」は、咀嚼を意識するためのわかりやすい目安として広く紹介されていますが、食品の硬さやお口の状態で適した回数は変わるため、まずは“今よりゆっくり、数回多めに”を目標にすると続けやすくなります。
噛む回数を増やす工夫として、次のような方法があります。
一口ごとに箸を置く
繊維質の多い野菜やきのこ、海藻を食事に取り入れる。
飲み物で流し込まず、唾液でまとめてから飲み込む
家族や友人と会話を楽しみながら、ゆっくり食事する
こうした工夫を少しずつ取り入れることで、「30回」にこだわらなくても、自然とよく噛む習慣が身についていきます。
まとめ
よく噛むことは、脳の注意・覚醒の維持に役立ち、消化や食べ過ぎ対策、お口の健康づくりにもつながる日常の習慣です。「30回」を目安にしつつ、無理のない範囲でゆっくり噛む食べ方を取り入れてみてください。
武蔵小杉グレイス歯科では、噛みにくさの原因となるむし歯・歯周病・かみ合わせ・入れ歯の不適合などを総合的に確認し、必要に応じてケアや調整をご提案します。「噛むと疲れる」「左右で噛みにくい」「飲み込みづらい」といったお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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