こんにちは、武蔵小杉グレイス歯科です。
秋から冬にかけては空気が乾燥しやすく、お口の中も影響を受けやすい時期です。「口が渇いて話しづらい」「飲み物がないと食事がしにくい」といった状態が続く場合、ドライマウス(口腔乾燥症)が疑われます。
唾液はお口の健康を守る大切な役割を担っており、その分泌量が減ると、むし歯や歯周病、口臭などの原因になることがあります。今回は、ドライマウスの症状や原因、口腔内との関係、そして予防や対策についてご紹介します。
ドライマウスの主な症状
ドライマウスは単に「口が渇く」だけではなく、生活のさまざまな場面に影響を与えます。たとえば、口の中がネバつく、水分がないと食べ物を飲み込みにくい、舌や粘膜がヒリヒリする、といった症状です。
味覚が鈍くなる、口臭が強くなる、夜間に何度も水を飲みたくなる場合もあり、放置すると不快感が慢性化します。
加えて、朝起きたときに口や喉がカラカラ、会話が続けにくい、入れ歯が外れやすい・擦れて痛む、舌苔(ぜったい)が増える、乾いた咳が出やすい、口角が切れやすいといった変化もサインです。
口内炎が治りにくい、味が薄く感じるなどの味覚変化、睡眠の質低下や食事量の減少につながることもあるため、気になる症状が続く場合は早めにご相談ください。
ドライマウスの原因
原因は一つとは限らず、複数が重なることも珍しくありません。代表的な要因には以下のようなものがあります。
・加齢による唾液腺機能の低下
・薬の副作用(降圧剤、抗アレルギー薬、抗うつ薬など)
・鼻づまりや習慣による口呼吸
・ストレスや緊張による自律神経の乱れ
・糖尿病やシェーグレン症候群などの全身疾患
・秋冬の乾燥や暖房による湿度低下
・日常的な水分不足
こうした要因が組み合わさると、唾液分泌が大きく減少し、症状が進行しやすくなります。
口腔内との関連
唾液はお口を清潔に保つ「天然の保護液」です。その分泌が減ることで、以下のような問題が起こりやすくなります。
むし歯
自浄作用や再石灰化作用が低下し、特に歯の根元にむし歯ができやすくなります。
歯周病
抗菌作用が弱まり、細菌が増えやすくなります。炎症や出血が長引くこともあります。
口臭
細菌が繁殖し、口臭の原因物質が増加します。
口内炎や感染症
粘膜が傷つきやすく、カンジダ症などの感染症も起こりやすくなります。
入れ歯の不快感
唾液が少ないと吸着力が弱まり、装着時の違和感が増します
治療や対策
ドライマウスは原因に応じた対処が必要です。軽度であれば生活習慣の見直しで改善できる場合もあります。
【日常でできる対策】
・こまめな水分補給(常温水がおすすめ)
・よく噛んで食事をする
・会話や歌で口を動かす習慣をつける
・室内の湿度を保つ(加湿器や濡れタオル)
【お口のケア】
・唾液腺マッサージ
・口腔保湿ジェルやスプレーの使用
・舌や頬のストレッチ
【医療機関での対応】
・薬の見直し(主治医との相談)
・歯科での定期的なクリーニングと検査
まとめ
ドライマウスは、放置するとむし歯や歯周病、口臭などのトラブルを招くだけでなく、食事や会話といった日常生活の質も下げてしまいます。特に秋から冬は乾燥によって症状が悪化しやすいため、早めの対策が大切です。
乾燥や薬の副作用など、原因を特定して適切なケアを行うことで、多くの場合は症状の軽減や改善が可能です。また、生活習慣の見直しや定期的な歯科検診は、将来的なトラブル予防にもつながります。
武蔵小杉グレイス歯科では、患者様一人ひとりの原因や症状に合わせた予防・改善方法をご提案し、日常生活を快適に過ごせるようサポートしています。お口の乾きや違和感が気になる方は、些細なことでもお気軽にご相談ください。
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