こんにちは、武蔵小杉グレイス歯科です。
「朝起きると顎がだるい」「歯がしみる」そんな症状がある方は、もしかすると“歯ぎしり”が関係しているかもしれません。歯ぎしりは一時的な癖と思われがちですが、ストレスがきっかけになることも多く、放置していると歯や歯ぐきにダメージを与えることがあります。
今回は、ストレスと歯ぎしりの関係性をふまえ、咬耗・知覚過敏・歯周病・歯の破折といったリスクについてご紹介します。
歯ぎしりとは?
歯ぎしり(ブラキシズム)とは、無意識に歯をこすり合わせたり、強く噛みしめたりする習慣です。多くは睡眠中に起こりますが、日中でも気づかぬうちに歯を食いしばっている方も少なくありません。原因はさまざまですが、現代では「ストレス」が大きな要因とされ、蓄積したストレスが歯ぎしりとして現れることも。放置すると、歯や顎に慢性的なトラブルを引き起こす恐れがあります。
歯ぎしりが引き起こす4つのトラブル
① 咬耗(こうもう)
歯ぎしりで歯の表面がすり減ると、「咬耗」という状態になります。特に奥歯は強い力がかかりやすく、エナメル質が削れて象牙質が露出すると、「しみる・痛い」といった症状が出やすくなります。咬耗が進行すると、噛み合わせが乱れたり、詰め物や被せ物が外れやすくなることもあります。
② 知覚過敏
歯の表面が削れる、あるいは歯ぐきが下がることで象牙質が露出し、冷たいものや甘いもの、風などの刺激で歯がしみる「知覚過敏」が起こります。虫歯だと思って受診された方が実は歯ぎしりによる咬耗が原因だった、というケースもよくあります。磨きすぎや酸性食品と並び、“無意識の歯ぎしり”は知覚過敏の見落とされやすい要因です。
③ 歯周病の進行リスク
歯ぎしりの強い力は、歯を支える歯ぐきや骨(歯周組織)にまでダメージを与えます。歯周病を抱えている方は特に要注意で、弱った組織に負担がかかることで、炎症が悪化しやすくなります。結果として、歯がグラグラしたり、歯槽骨の吸収が進んでしまうこともあるため、歯ぎしりと歯周病の両方を視野に入れたケアが重要です。
④ 歯根破折(しこんはせつ)
歯に強い圧力がかかり続けると、歯の根元が縦に割れる「歯根破折」が起こることがあります。特に神経を取った歯(失活歯)は脆くなっており、歯ぎしりや食いしばりが引き金になりやすいのが特徴です。歯根破折は初期には自覚症状がほとんどなく、気づいたときには抜歯せざるを得ないケースも。
歯ぎしりへの対処法と予防法
① ナイトガード(マウスピース)の使用
もっとも一般的な対策が、就寝時に使うナイトガードです。上あごに装着することで、歯同士の強い接触を防ぎ、すり減りやひび割れから歯を守ります。「就寝中に歯ぎしりしていると言われた」「朝、あごが疲れている」といった方におすすめです。
② ストレスとの付き合い方を見直す
ストレスが原因の場合は、心身をリラックスさせる習慣も大切です。睡眠・運動・趣味などを見直すことで、無意識の歯ぎしりを和らげることがあります。
③ 歯科での定期チェック
歯ぎしりは気づきにくいことが多いため、定期的な歯科検診が予防につながります。咬耗や知覚過敏、歯周病との関連、歯の破折リスクなども早期にチェック可能です。
まとめ
歯ぎしりは、歯や顎、歯ぐきに思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。ストレスが原因のことも多く、自覚のないまま進行するケースも少なくありません。「歯がすり減っている」「しみる」「奥歯に違和感がある」といった症状がある方は、早めの対策が大切です。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。